何か胡散臭い男や 9


 

いよいよそのコンサルがやってくる日が来た訳だが、当日はA女史とうだつの上がらぬアラサー男、そして私の3人だけで、広告屋くずれの薄ら禿オジンは休みだった。

そこへドアをノックして入って来たのは初老というより、もう完全に老人といってもいいくらいのおじいちゃん、そして年齢からすると四、五十代の男の二名が入って来た。

 

 

名刺を交換し、お互い席についたのだが、会った瞬間に「このオッサン、何か胡散臭い男や」と直感が走った。これが、後年的中するとはこの時点では知る由もなかった。

 

 

実はこのおじいちゃんの苗字が珍しい名前で、大阪のとある地域で暗躍した組織がちょうどそのおじいちゃんと同じ名前を冠した建設会社を連想させる社名であった。

 

 

仮にその会社名をX建設としておこう。

 

 

X建設は大阪で最大といわれる同和地区内を本拠地として、当時「市」が発注する同和関連事業を一手に引き受ける一方、もうひとつの顔としてある中核組織の代紋を背負った幹部という一面を持ついわば同和ビジネスをシノギとする業界人だったのである。

X建設はその後問題を起こし、経営陣は変わったが現在も社名はそのままで存続している。

 

そのXにあたる部分が今回のおじいちゃんコンサルの苗字と一緒なのである。

もしそれが田中・山田等ありふれた名前だと何も思わなかっただろうが、私が知る限りXという名前はその同和建設屋と目の前にいるコンサルおじいちゃんだけだ。

 

 

私は名刺を見ながら「Xさんって珍しいお名前ですね。X建設さんってご存じですか」とカマをかけてみた。

 

 

このX建設は問題を起こしたといっても、いっときマスコミを賑わした食肉の帝王ハンナンの浅田満氏や新大阪飛鳥会の小西邦彦理事長のように表に出た訳ではなく、裏社会でひっそりと知れ渡っていたので「X建設」自体を知っていることが只者ではないと思われたようだ。

おじいちゃんと四、五十男の顔つきが変わり、「そうです、その身内にあたります」

 

二人は顔を見合わせながら「X建設知ってはるんや」とつぶやいた。

 

 

X建設のX社長が暗躍していたのは数十年前のことだし、ましてやその身内というだけなので、私は何とも思わないが、X社長も今健在だとしたら、ちょうど目の前にいるコンサルおじいちゃん位の年齢の筈である。

 

 

このやり取りで私のことを「おもろないな」と思うと同時に少し警戒もしながらも「やっつけてやろう」とおじいちゃんは思ったかも知れない。

そのあとのコンサル本番でおじいちゃんは思いもかけない行動に出たのである。

 

 

 

 


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