あなた、サビ管の実務経験が足りませんよ 6

ここでもう一つ問題が持ち上がってきた。

 

就労継続支援B型の場合、常勤のサービス管理責任者、いわゆるサビ管が1名必要で、申請には私がそのサビ管として就任することになっていた。

その為の実務経験として、私がかつて経営していた会社だけの経験を出していた。
それだけで必要年数をギリギリではあるが満たせるからだ。

 

私は福祉関連でいうと、通所介護、訪問介護、福祉用具貸与・販売の指定を受けて経営をしていたことがあった。

ところがお役所が言うには、その中の「福祉用具貸与・販売」はサビ管の実務経験に含む事が出来ない、とのことであった。

仕方なく、私は以前、ケアマネの試験を受けるための実務経験を満たす為、知人の紹介で行っていた事業所の経験を使用することにした。

お役所に訊くと、ケアマネ用の証明書でも可能だという。

 

私は元々、なぜ自分の会社だけで証明したかというと、他社に依頼して自分の証明を書いてもらうのが億劫だったために、それをためらっていたのだが、それならば自分の持っている証明書だけで事が済む。

 

これも面白いエピソードのようなものがあって、ケアマネを受験しようと自社でやっていた事業の証明、つまり、自分が自分を証明する形で受験申請を出した。

ところが、申請を出して暫くしたころ、ケアマネの試験センターから電話があり、この中で「高齢者向けの配食サービスは受験資格に含まれない」とのことだった。

配食サービスといっても、単に食事を届けるだけではなく、家に上がり込み、いわば保険外の訪問介護みたいな事もしていたのだが、ケアマネ試験の委員会が協議した結果、公的なサービスではないので認められない、となったようだ。

 

その時に返却された書類の一つである「実務経験証明書」が、今回のサビ管で流用できる、という訳である。

 

ちなみに細かい話だが、払い込んだ受験料は現金書留で返してくれた。

 

ケアマネの時は福祉用具貸与・販売は認められ、サビ管の時はそれがダメ。

ケアマネ受験は諦めたが、その時の為に実務経験として行ったのが今、役に立つ、というのが世の中面白い。

 

これも、先ほど「知人の紹介」と書いたが、私が経営していた時に勤めてくれていたパートの人が紹介してくれた。

そこは業界では大手に入る事業所で、これもまた紙幅が許せばいずれ書いてみたいが、私はほぼ未経験から高齢者介護の世界に入って、その時の立場はオーナー経営者だったために見えていないものが多くあった。

そこはたとえ週に1~2回の勤務でもそれに気づかせてくれた貴重な経験だったといえよう。

その時は苦しい思いをしたことも有ったが、今、サビ管の経験実績に組み入れる事が出来るとは非常に有り難い。 

 

 

後日、県の担当者から「これで良いですよ」と返事を貰い、ほっと胸をなでおろした。

 


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