ついに就労継続支援B型作業所<E>を去ることに 12

さて、ポロポロと利用者も増え始めたそんなある日、私が在宅支援から事業所に帰ってくるとA女史とおじいちゃんコンサル<X氏>が待ち構えていた。

<X氏>は「あなたね、サビ管はこちらで用意するからもういいよ」と切り出してきた。
おそらく侃侃諤諤となると想定していたようでA女史も<X氏>に委ねていたようだ。

しかし私もそれを察して、あえて逆張りで行ってやろうと「そうでっか、ほな失礼しまっさ」と、よく比喩表現で「椅子を蹴って出ていく」というのがあるが、まさしくその状態で出ていこうとした。

というのも、直近のA女史とのやり取りで、もはや一緒に創業しようと二人で誓い合った時とは空気感というか関係も次第に変わってきて、ことあるごとに「そんなん言うんやったらもう降りますわ」と言ってきたのもある。

私が本当に出ていこうとしたその瞬間、A女史が「本当に出ていくの?私との関係はそんなものだったの?」と言ってきた。これには流石にわたしもひどく心を打たれ、結局<X氏>を外して二人きりで話合うことになった。

本当に長い時間話をしたのを今でも覚えている。外で待たせていた<X氏>からしびれを切らした電話が何度も掛かってきた位だから・・。

そしてA女史との長い話し合いの結果、最終結論としてここを去ることにした。

もともと高齢者介護施設をやって人間と接するのが嫌になり、その施設を他人に譲った後の人生は「人」と直接やり取りすることのない株式や為替取引、すなわち投資業で生きていこうと決めたはずだった。そこにA女史から声がかかり今回の事となり、ちょっと寄り道したけど原点に帰ろう、とその時思った。

ちなみにこのブログは障がい者福祉の筈なのにドメインに「fx」という文字が入っていて怪訝に思われたかもしれないが、投資業で生きていこうと決めた時に、その取引の様子をブログに上げていこうと当時取得したものをそのまま使っているからだ。

私はなんだか晴れた気分のような反面、もやもやすっきりしない気分というか、妙に複雑な感情がこころの中を交差しながらその就労継続支援B型事業所<E>を後にすることになった。

その時は私もA女史も分からなかったが、後日談としてA女史から聞いたところによると<X氏>は虎視眈々とその事業所を狙っていたようで、ようやく邪魔者であった私が去ることとなり、内心喜んでいたことであろう。

「サビ管はこちらで用意するから・・」と言うからにはさぞかし優秀なサビ管が控えているんだろう、と勝手にイメージしたが、蓋を開けてみるとなんとその<X氏>がサビ管に居座り、しかも後から県に言われて判明したらしいが「必要経験日数」が不足しているというオマケ付きだったそうだ。

しかし事前にその部門だけ別法人に切り離し、A女史もまた別の会社に売却、難を逃れたという結末が待っていたのはその数か月後のことであった。


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